モラハラってなんですの?

職場で受けたモラハラについて実体験をもとにフィクションを交えてご紹介します。

本編1-1:すみれはふっかつのじゅもんをとなえられた

「もしもお金があったら、私は決して書かなかったでしょうね」

(ルイ=フェルディナン・セリーヌ/小説家・ライターになれる人、なれない人より)

 

お金のためにいやいや働くことは決して悪い事ではありませんわ。
少なくとも、そう思っているのは私だけではないはず……ですもの。

 

 

2015年10月頃、すみれはエクトプラズムを漏らすほどのため息をつきましたの。

この会社を休職して12ヶ月。

 

病名は適応障害

 

ヘヴィーな仕事でメンタルをやってから、わたくしは以前出来ていたことができなくなったことに思い悩み、2度目の休職にはまっていましたわ。

 

6ヶ月前に「復職をしなさい」という勧告書が届いてから、わたくしの心は暗く重いタールに使ったみたいになっていましたわ。

 

・仕事には戻りたくない

・でも働かないとお金がなくなっちゃう

 

引きこもり生活にも嫌気がさしてきましたし、なによりもぐんぐん増えるクレジットカードの残高に破滅の予感がこみ上げてきましたの。

 

わたしはいつものようにコンビニに出かける以外は一歩も外に出ることなく、夢のないまま、気休めにネット界隈をむさぼっていましたの。

 

生活リズムは昼夜逆転

早朝に寝て夕方前に寝る。

しかも最低9時間、最高で15時間くらい惰眠をむさぼる生活でした。

 

「このままじゃ……いけ……ない……わ」

 

思っていても気力の湧かない、まるで自分で自分を音質で腐らせているような、ある意味では生温かい日々でしたわ。

 

そんなある日の夕方でしたわ。

 

「すみれさん、あなたは絶対に仕事を辞めてはだめよ!」

 

突如携帯から放たれたよっぱらいの声。

電話の主は、同じ市内におすまいの「里山 実子(さとやまみのるこ)」さんでしたわ。

 

すでに会社を定年で円満退職されて、ときどきお邪魔してご飯をいただいたり、春夏秋冬にたけのこやみかんを頂いているお方。

 

もうほんとに酔っ払っていて、ろれつの回らない感じでしたけれど、なんというか、酔った勢いだからこそ、言えずに言えなかった思いを言霊にしてるって勢いでしたわ。

 

「このままじゃいけないわ!」

 

わたくしはわたくしにもう一度唱えましたわ。

おなじ「このままじゃいけないわ」だけれど、それはわたくしにとっては復活の呪文が効いた、勇気のこもったものでしたわ。

 

わたくしは、わたくしに、今一度命じましたの。

 

「どうせやめるなら、一度会社に復活してから、自分の意志ですっぱりやめるがいいわ!」

 

思い悩んで眠れぬ日々を悶々としましたけれども、わたくしは今一度同じ会社の同じメンバーのもとへと「ふっかつ」することにしましたの。

 

2016年2月1日。

まぁ、それはいろいろな手続きをへた私は復職をはたしましたの。

 

その日こそがモラハラに直面した日でしたの。

えぇ、初日からわたくしはいじめられましてよ。