プロローグ4:モラハラって18歳のお方ですわ
「フランスでは2002年にモラハラを禁止する法律ができた」
モラハラって言葉はここ数ヶ月ですっかりとわたくしのオツムに馴染みましたが、はじめて聞いたときは意味がわかりませんでしたわ。
モラハラの正式名称は「モラル・ハラスメント」。
フランスの精神科医マリー=フランス・イルゴイエンヌ女史が提唱したんですの。
モラルというのは道徳という意味で、ハラスメントは嫌がらせ、という意味ですわ。
ですから直訳すれば「道徳のいやがらせ」ということになりますわね。
まったく、意味がわかりませんわ。
わたくしなりにモラハラをわかりやすく言えば「すんどめパワハラ」「新型パワハラ」とでも言えばいいかと考えますの。
現在、パワハラ・セクハラが社会的にやってはいけないことは、かなり日常として浸透したと思いますの。
禁煙してはいけないところでタバコを吸ってはならないみたいに、風潮として企業ではかなり教育がなされていますの。
しかし、パワハラが禁止されても、そういった行為が止むわけはありませんわ。
いや、パワハラという行為の線引きが示されたとこで、そこにいたらないように陰湿なパワハラまがいの行為がなされるようになったのかもしれませんわね。
モラハラには大きく2種類あって……
・夫婦間のモラハラ
・職場でのモラハラ
夫婦間のモラハラは近年、高橋ジョージと御船美佳さんの一件でワイドショーに取り上げられたので、耳にした事はおおいかもしれませんわね。
モラハラという概念は、イルゴイエンヌ女史が1998年に、その名もずばり「モラル・ハラスメント」という名著を出した事で定義されたといってもいいですわ。ちなみに日本に訳されたのは1999年。モラハラさんは今年で18歳のお方ですの。
ただし、モラハラというのは、いまでは誰でもご存じの「ストーカー」という言葉のように「以前からあった行為にお名前が与えられた(ラベリング)」にすぎないんですわ。
職場にはびこる陰湿ないじめ。
パワハラとセクハラでやってはいけないNG行為が示された今だからこそ、あらたに巧妙化していく、「精神のパワハラ」ですの。