プロローグ2:椿さんへのモラハラ
「椿さん、あなたまだ勤務時間はじまっていないのに、なんで仕事の準備しているの?」
今は私たちがターゲットでしたが、ほんの数ヶ月前のターゲットは同じ職場のアルバイトの椿さんでした。
わたくし達は書類整理庫でのお仕事のために毎日仕事前に準備をしますの。
当時は、椿さんがリーダー的存在でしたので、すばやく仕事にかかれるように、はじまるまえに準備をしていたんですの。
その時でした。
直属の上司、課長のモラハラールが言いましたの。
「椿さん、勤務時間前になんで仕事しているの!!」
瞬間、椿さんの顔がみるみる青ざめ、首を小さく揺さぶって、今度は顔が赤くなりましたわ。
「勤務時間はちゃんと守らないとダメ。勤務が始まる前に仕事なんて!!」
暴君が家臣にいいつけるような、犬か猫に躾けでもするような口調でしたから、わたくしたちも思わず絶句しましたわ。
一ヶ月前くらいに「仕事が始まったらすぐに仕事ができるように準備をしておきなさい!」と椿さんを叱ったばかりでしたから。
つまり椿さんは、以前モラハラールに命じられたことをしっかり守っていただけですの。これは彼女の誤解でも何でもありません。だって、それについてはわたくしもそれにわたしのバディである、わさびちゃんも目の前でしっかり立ち会っておりましたわ。(これを現認したといいますわ)
・前回の指示と違うことを言い、本人はそれに罪悪を感じるどころか、気づきもしない
つまり、言ってることが180度違うとんでも意地悪。
これ、モラハラの典型的な特長らしいですの。
椿さんはその日、一日中怒りに身体を震わせていました。
どうやら、このモラハラールこと、わたくしの直属の上司の課長は、こうやって代々にターゲットを決めてモラハラをしまくっていたらしいんですわ。
今は椿さんは担当が変わったので、わたくし達がターゲットになっているわけですけれどね。
毎日いうことが、その時の都合や気分でガラリと変わってしまうから、彼女に対して忖度(そんたく:相手の真意を察して先回りしたり気づかうこと)はできないんですわ。
これがまた、やっかいなんですの。